以前、街で見かけた錯視の中で
禁煙マークに見つけた錯視という記事をアップしました。
デザインの中での錯視現象のお話でした。
今日はその「ちゃんと錯視を考慮したデザイン」のお話です。
まず下の図を見て下さい。
左の正方形と右の正円、どちらも縦横まったく同じ長さです。
しかし、どうしても右の円の方が小さく見えます。
これはそれぞれの専有面積などが影響した結果です。
これをふまえて文字、すなわちフォントのデザインを考えてみます。
アルファベットのTとOを描いてみました。
縦横の大きさは全く同じなのに、
どうしてもTが大きく、Oが小さく見えてしまいます。
このままでは少々不細工な文字になってしまいます。
実は昔からフォントのデザインにはこの現象が考慮されています。
こちらは「ヒラギノ角ゴシック」という書体です。
点線を引いて並べてみると判りますが、
Tに比べるとCの書体は縦横ともに少し大きくデザインされています。
数値上での大きさは違ってしまいますが
見た目ではこのほうが揃った大きさに見えるのです。
O、G、Cなど、円に近い形状のフォントは
通常ひとまわり大きくデザインされるのが
フォントデザインでは基本ルールとなっています。
昨今のように錯視という考え方が一般化する遥か前から
デザイナーさんは気づいていたのですね。
↓他にも錯視やトリックイラスト作品を多数展示中。